西千葉教会 日本キリスト教団 西千葉教会


◇聖書の言葉 ]T

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文:滝瀬 一 副牧師

「イエスは起き上がって、風を叱り、湖に、『黙れ。静まれ』と言われた。 すると、風はやみ、すっかり凪になった。イエスは言われた。『なぜ怖がるのか。まだ信じないのか。』」

マルコによる福音書第4章39、40節

 聖書に報告されている出来事には時に巨大な、奇跡的なものもあります。上に掲げたイエス・キリストのお言葉、振る舞いを含む新約聖書マルコによる福音書第4章35−41節に伝えられた出来事も、そのようなものの一つです。しかし、そうした出来事によって聖書がわたしたちに明らかにしていることは、単にそれによってわたしたちの好奇心を惹き、それを満足させようということではありません。それがなぜなら、例えば、その奇跡的な出来事と共に、それを目の当たりにした人々から、「『いったい、この方はどなたなのだろう』」(注1)という問いが引き出されていることから、よく分かります。そう、それらの奇跡を通しても、イエス・キリストという方を真実に知ってほしいとしているのです。
 マルコによる福音書ではキリストの奇跡を伝える物語は第8章26節でほとんど終えられます。そしてその直後の第8章27節以下の新しい箇所で、その弟子たちからキリストに対する信仰の告白が起こっています、「『あなたは、メシアです』」(注2)と。さらにその箇所を過ぎると、福音書は、キリストのあの十字架の死と復活の出来事に向かって急ぐように、ただ一筋に語り進んでゆくのです。その奇跡的なお働きが福音書また聖書の語る主旨ではなくて、そのようなことさえおできになるキリストが、わたしたちの罪の赦しの救いと幸いのための唯一の方法であると明示されたのが、その十字架の死と復活であるということです。だからキリストは、また別の奇跡物語の中でも、そのことを予め示すようにして、「『子よ、あなたの罪は赦される』」と告げておられます(注3)。
 マルコによる福音書でのキリストの第一声は、「『時は満ち、神の国は近づいた。悔い改めて福音を信じなさい』」であります(注4)。このお言葉とその十字架の死と復活の出来事の間に、キリストの奇跡の物語もあるのです。これは、わたしたちが聖書の神の救い、キリストによるわたしたちの救いを正しく知るために、大事な理解であると思います。そしてキリスト教会の信仰の内容は、偏に、そのようなキリストが共にいてくださることに大きく依り頼むこと、なのです。

in Christ.

注1。マルコによる福音書第4章41節。
注2。マルコによる福音書第8章27−30節を参照。
注3。マルコによる福音書第2章1−12節を参照。
注4。マルコによる福音書第1章15節。

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