畳はその昔、大和民族が生み出したものだそうですが、その頃の畳はまだ畳と 呼べるものではありませんでした。

神聖な神を祭る場所に、丸石を敷き詰めたのが始まりで、そこに屋根が作られました。そして、人々はその場所に住むようになり、その神聖な場所を汚さないように 床に「わら」を敷きつめて寝具や座具にしていたり、敷物の役割を果たしていたものが今の畳に進化したのです。
現在の形になったのは中世の後半になってからだそうです 。




奈良時代(710〜794)

この頃、畳に厚みが加えられ、調度品としての置畳が使われるようになりました。
今までは、稲わら等の材質でムシロ・コモ・ツカミナなどの敷物類を生み出していたところに、 大陸からの絹織物などが伝わり、やがてそれらが巧みに組み合わされて進化してゆきます。




平安時代(794〜1192)

この時代になると、貴族の邸宅が寝殿造の建築様式になり、板敷の間に座具や寝具などとして畳が所々 に置かれるようになりました。
そして、その使う人の位によって畳の厚さや緑(へり)についての規定があったそうです。




鎌倉時代(1192)〜室町時代(1338)〜江戸時代(1603)

この頃になると、部屋全体に畳を敷きつめる使い方になりました。
お客をもてなす座具であった畳が、建物の床材になっていったのです。(茶室にも使われるようになりました。)
しかし、当時、畳はとても貴重なもので、このような贅沢な使い方が出来るのは貴族でもその一部で、 富の象徴でもあったようです。




貴族・茶室建築から畳はやがて町人の家に引き継がれてゆき、畳が 一般庶民のものとなったのは、江戸中期以降のことでした。
農村においてはさらに遅く、明治時代になってからだそうです。


現在では、住宅の洋風化が進み、畳が使われている部屋はだんだんと無くなりつつあります。
そんな中、少しでも畳の良さを見なおしていただきたい、という意味を込めて、9月24日を「畳の日」としています。
(9月24日は昔、大掃除の日となっていたようです。)




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