東洋医学の基本的な考え方  02

五気 季節 一日 人 生 作 用 臓器 臓腑
木気 青年期 発芽伸長 始動
火気 壮年期 膨張 全動 小腸
金気 夕方 初老更年期 収斂 半閉 大腸
水気 誕生、老年期 内燃 全閉 膀胱
土気 土用 午後 変化 中和

病因 正邪闘争  (正気・・・病気抗拮力自然治癒力自己治癒力)
           邪気・・・
陰陽のバランス(五臓のバランス)

内因 外因 不内外因
七情による内傷
  • 怒喜思憂悲恐驚

情動の変化
自然界の気
  • 六淫(ロクイン)
    (風寒暑湿燥火熱)

飲食の不摂生
過労
怪我
古血
痰飲

陽 遁 陰 遁
四 季 土用
自然現象 湿 乾燥
自然作用 変化
人体五臓
人体五腑 小腸 大腸 膀胱
天 気 暑熱 湿
五 行
六気
季節が変わると、気候もそれに応じて変化します。気候の変化が正常な場合には6種類の気候変化として、人体活動を促します。
寒湿
冬至 立春 春分
風寒 風湿
風燥 立冬 立夏
湿
秋分 立秋 夏至
暑燥 暑湿
外因 六淫
ろくいん
漢方では、外界の環境因子が人体に与える影響を非常に重視しています。気候の変化が異常な場合や、人体が六気に対して著しく抵抗力を無くしたときには、六気はそれぞれ、邪気となって人体に障害を与えます。
風邪 風邪に犯されると人体の皮膚や肌、筋肉、臓腑などにある細かい隙間が開いて外邪が体内に侵入し、悪風や発汗などの症状が出やすくなります。風邪が人体を襲うと人体の上部や外側にある頭部や肌表を犯し、頭痛・鼻・咽・目などの病変を起こすとされています。風邪を感受すると、発病が急速で進行が速く、患部は固定せずに移動し、症状が出たり消えたりする、という特徴が見られます。また、体がふるえたり痙攣したり、あるいはふらつきを感じるめまいなどの症状が現れます。
寒邪 寒邪を受けると、人間は局部あるいは全身の冷えを感じます。これは体温が体内の陽気によって支えられており、寒邪がその陽気を障害するからなのです。人体の陽気には、衛気・腎陽・心陽・脾陽・肝陽などがあります。寒邪は肌表や呼吸器官あるいは直接脾胃に侵入してくることが多いです。脾陽は脾気を温め脾の運化作用を促進していますが、寒邪に襲われてその作用が弱まると、嘔吐・泄瀉・腹部の冷痛などの症状があらわれます。経絡や筋脈の寒邪による障害は、凝滞と収引の性質が同時に出現することが多く、四肢がひきつって痛み、温めると症状が軽減するのが特徴です。
暑邪 人体が暑邪に襲われると、高熱・顔面紅潮・大量発汗・口渇・振幅が大きく速い脈などの激しい熱症状があらわれます。
暑邪は人体の皮膚や肌、筋肉、臓腑などにある細かい隙間が開き、津液を消耗させて、身熱・大量発汗・口渇して飲食を欲する・尿赤短少(量の少ない赤い小便が出る)などの症状を示します。また、津液の蒸発が激しいと、気も津液につられて漏れ出してしまうため、呼吸が短促してとぎれとぎれや気力が萎えるなどの症状があらわれるほか、激しい場合は脱水症状を伴って突然混迷し、昏睡に陥って意識不明となることもあります。
湿邪 土用 湿が肌表に侵入すると身体や四肢が重くだるくなり、関節に停留すると重く痛んで動作が障害され、分泌物や排泄物も濁って汚いものになってしまいます。
湿濁は、清い津液とは違って粘着性が強く、湿邪に犯されると分泌物や排泄物がべとついたり、大小便の切れが悪くなかなか拭き取れない、症状があらわれます。
湿は重濁で粘滞性の性質を持つので、臓腑経絡中に渋滞すると、気機を阻滞して気機の昇降を失調させ、昇降の失調には、胃部のつかえ感・嘔吐・大小便がすっきり出ないなどの症状があらわれます。陽気の中でも特に脾陽を損傷します。脾は、水液を運化する作用を主り、燥を喜び、湿を悪む性質を持つため湿邪が停留すると脾陽が障害されて、下痢・尿量減少・水腫・腹水などの症状があらわれます。
燥邪 燥邪は乾燥性の強い外邪であり、人体を襲うと陰液を消耗して、潤いを消失させます。肺はみずみずしく潤った状態を好むデリケートな臓器であるため、燥邪に襲われやすく、肺の陰液が消耗すると、から咳・痰は少ないかあるいは血が混じる・喘息して胸痛するなどの症状があらわれます。燥邪が体表や呼吸器を襲うと、口鼻や皮膚は乾燥して口渇したり、激しい場合は髪の毛や皮膚がかさついて亀裂が生じてしまします。また燥邪が、皮毛や呼吸を主る肺と表裏関係にある大腸に影響すると、大便は乾燥して出にくくなります。
火邪
熱邪
火熱が人体を犯すと高熱・悪熱・口渇・発汗・などの症状のほか、人体上部にある頭や顔面に熱が昇って、口腔内や舌にできものができる・歯茎が腫れて痛む・目が赤く腫れて痛む・頭痛などの症状をあらわします。火熱には血を動かして出血を促進する性質があります。例えば、入浴や興奮によってのぼせ過ぎると鼻血が出るのは、熱が血を動かす現象の一つです。火邪が血分に及んだり脈絡を損傷したりすると、吐血・喀血・鼻出血・血尿・血便・皮下出血・不正性器出血などの出血があらわれます。また、火熱が体内に侵入すると、上焦に位置し陰陽調節の中心となる心に達して神明を障害し、胸中が熱くほてって落ち着かない・不眠・狂躁妄動(精神が狂い乱れて、手足をばたつかせる)・意識が昏迷しうわごとをいうなどの症状を示します。
内因
恐驚
ストレスと「七情」
嬉しい、悲しいなどの感情は、人間らしく生きるためには欠かせないもの。しかし度が過ぎて感情のバランスを崩すと体調のバランスまで崩れてしまいます。現代医学のストレスに対する考え方とほぼ同義。ストレスとは、七情のバランスが乱れた状態のことなのです。


七情 これら7種類の感情の変化は外界の事柄に対応する精神の反応であって、正常な状況においては、発病の素因となることはあまりありません。病因としての七情になるのは、急激で強烈な精神的衝撃や長期間に及ぶ持続的な精神刺激によって起きる感情の変化です。
気が上がる
気が緩む
気を結ぶ
気が下り乱れる
気が消える
不内外因
五味五色を取って五臓のバランスを取る
酸味
青(緑)
鹹味 苦味
辛味 甘味
酸味 筋、粘膜を働かせる。人体の脂肪を分解する作用
苦味 のぼせ、炎症を取る
甘味 筋肉を緩めて痛みを取る
辛味 保温発汗殺菌作用があり
鹹味 しこりを和らげる作用
旬の食べ物
エネルギーの強い状態の生き物を頂く
春の旬 山菜(ほろ苦さ)が身体を伸びやかにさせてくれる
夏の旬
秋の旬
冬の旬
東洋思想の基本的な考え方

作成日平成17年6月14日

東洋医学1